岡山大学が国連と共催した第14回グローバルRCE会議
岡山大学が国連大学と岡山市、RCE岡山の共催により、2025年11月9日の開催が迫った「第14回グローバルRCE会議」。このイベントは、持続可能な発展のための教育(RCE)が発足から20周年を迎えたことを記念する重要な会議です。教育界からの多様な視点が集まり、持続可能性の危機に対する倫理的視点が強調されました。
会議は10月21日から23日の間に岡山市で行われ、これまでに世界中で約200のRCEが誕生しています。岡山はその発足時に設立され、持続可能な発展に貢献してきました。
高等教育の使命を再考する
会議内では、特に「地球的共生に奉仕する大学」と題した公式セッションが開催されました。このセッションは岡山大学の横井篤文副学長が企画・モデレーターを務め、高等教育の倫理的フロンティアを切り拓くリーダーたちが壇上に立ちました。議論の中心には、「持続可能性の危機が科学や政治の問題だけでなく、倫理や価値観の問題である」という認識がありました。
従来の人類社会の経済活動と高等教育の関わりを問い直し、大学が人類の一部として位置づけられる重要性が語られました。議論を通じ、「グローバル」という枠組みを超えて、「プラネタリー」という新たな視点への移行が求められています。
この倫理的転回は、単なる概念の変化にとどまらず、大学がどのように「地球的共生の再生を担うか」を見つめ直すきっかけともなりました。参加者たちは、大学が倫理的な基盤を築くエコシステムとしての役割を再定義する必要があると共通認識を持ちました。
国際的な専門家の参加
このセッションには、国際的に著名な専門家が集結しました。例えば、ラジャニ・ナイドゥ教授(エクセター大学)、ダーラ・K・ディアドルフ博士(南アフリカ・ステレンボッシュ大学)、ジュリー・ニューマン博士(MIT)らが参加し、それぞれの視点から倫理的教育の重要性を語りました。また、国連SDG4-教育2030ハイレベルステアリング・コミッティの若者代表による発表も行われ、教育変革への期待が高まりました。
地域と地球の未来を共創する
岡山大学は、地域と地球における持続可能な未来のために、マルチステークホルダーや多世代の関与を通じて、研究・教育・社会貢献を加速させていく方針です。今回の会議での議論を受けて、さらに多くの取り組みが期待されます。教育界や地域社会が協力して、持続可能な未来を目指す姿勢は、岡山大学の特色であり、成果を追求していくことでしょう。
岡山大学が引き続きこの分野での革新をリードし、地域中核・特色ある研究大学としての役割を果たしていることを、今後も注目していきたいと思います。