岡山大学の新たな取り組み
令和5年度から始まった岡山大学のTCカレッジ医工系コースでは、最新の教育を通じて技術職員の専門能力を向上させるべく、新しいカリキュラムが展開されています。その中でも特に注目されているのが、2025年12月15日に実施された「生物系走査型電子顕微鏡(基礎)」の講座です。
走査型電子顕微鏡とは
走査型電子顕微鏡(SEM)は、微細な構造を高解像度で観察するための重要な工具であり、生物や材料科学などの多様な研究分野で活用されています。この技術を駆使することで、細胞内の構造や物質の特性を詳細に理解するための基盤が築かれます。
カリキュラムの概要
このカリキュラムは、岡山市北区の鹿田キャンパスに位置する医学部共同実験室で行われました。受講生は医学部の医工系コースから3名、他のコースから4名の合計7名が参加しました。
教育プログラムは、ハイブリッド形式で進められ、座学と実習が組み合わさりました。宮木充史技師(株式会社日立ハイテクCTソリューション開発部)を講師として招き、走査型電子顕微鏡の原理や観察技法についての幅広い知識を学びました。特に、像障害の原因に関する具体的な説明は、受講者から多くの質問が寄せられ、熱心な議論が行われました。
午前中の講義が終わると、午後は実際に走査型電子顕微鏡を使った実習の時間に移ります。ここでは、HITACHI S-4800という高性能な走査型電子顕微鏡を用いて、条件設定の変更による像の違いを実際に観察し、電顕像の見え方を実機で確認しました。実習を通じて、機器の便利な機能や使用法を習得することができたのです。
参加者の声
受講者の一人である藤井匡寛技術専門職員は「座学では文理を問わず基礎からしっかりと理解でき、大変有意義でした。実習では理論を実践に活かすことができ、そのおかげで深い理解が得られたと思います」と感想を述べています。
また、井澗美希技術専門職員は「講義は非常に分かりやすく、充実感があります。走査型電子顕微鏡についての知識を広げる良い機会となりました」と語っています。
今後の展望
総合技術部の佐藤法仁副理事は、今回の講義や実習を通じての産学連携の重要性を強調し、「企業とのコラボレーションを通じて、新たな知見を積極的に取り入れる場を形成していくことが大切です。今後も、TCカレッジを最大限に活用し、地域の技術職員の育成に貢献していきたいと思います」と意気込みを見せています。
最後に、岡山大学は地域との共創を大切にしながら、研究の質と幅を広げていくことを目指しています。技術職員の高度化を推進することで、今後も岡山大学が地域社会において重要な役割を果たすことが期待されています。