物流危機を乗り越える!次の灯株式会社の挑戦
岡山県総社市に本社を構える次の灯株式会社が、2024年問題と呼ばれる物流危機を前に、革新的なアプローチをもって自社の生産体制を一新しようとしています。「Road to 10B」という中期経営計画のもと、2031年に売上100億円を目指し、生産能力を月産2.2倍体制へと移行させる取り組みが始まりました。
現代の課題と次の灯の戦略
同社の主力製品であるリビルトDPF(排ガス浄化装置)の需要は年々増加し、驚くべきペースで成長を遂げています。しかしながら、現在の生産方式は熟練職人の手作業に依存しているため、生産数が需要に追いついていないのが実情です。このままでは、国内の物流網に大きな影響を及ぼす恐れがあります。
そこで、次の灯は「人手を増やして対応する」のではなく、「ロボット技術とデータを駆使して生産性を飛躍的に向上させる」という方針を打ち出しました。政府が支援する「ものづくり補助金」を活用し、地域産業のモデルケースとして「スマート・サーキュラー・ファクトリー」を構築します。
技術革新による生産性向上
このプロジェクトは単なる機械の導入にとどまらず、自社で培ってきた「整備士の経験や技能」をデータ化し、産業用ロボットに組み込むことを重視しています。こうすることで、品質を保ちながらも生産速度を飛躍的に向上させることが可能となります。
ロボットによる生産ラインの省力化
同社では、重量物であるDPFの取り扱いや洗浄工程に産業用ロボットを導入し、作業員の負担を大幅に軽減します。さらに、24時間稼働できる体制の構築を目指します。これにより、作業効率の向上だけでなく、健康リスクの軽減も実現します。
品質検査のデジタル化
新たな生産体制では、X線や分光分析などの非破壊検査技術を導入し、DPFの詰まり具合や触媒劣化度を数値化します。このデータをもとに、品質保証の精度を科学的に担保することで、さらなる信頼性を生み出します。
目指すべき生産能力と組織戦略
次の灯は、2026年4月に新たな中部拠点を開設し、2027年6月までに月産1,120個の生産体制を確立する予定です。これにより、手作業の限界である1,000個を超える生産能力を実現します。
会社はまた、組織リスクを排除するガバナンス体制を構築し、経済的な安定と成長を両立させています。働きがいのある会社として認定された次の灯は、離職率がわずか3%で、平均残業時間も20時間/月に抑えています。
環境に優しいビジネスモデル
次の灯は、環境技術にも力を入れています。これまでに累計1,783トンのCO2削減を実現し、環境負荷を減らすことで利益を生み出すビジネスモデルを確立しています。代表取締役の黒川聖馬氏は、「地方の町工場だからといって手作業に甘んじるのではなく、自動化を進め、安定した生産能力を維持することが日本の物流を守るインフラの構築に繋がる」と強調しています。
次の灯株式会社が進めるスマート工場化は、地域の未来を明るく照らし、持続可能な社会の実現へ向けた重要な一歩となるでしょう。私たちもその動向から目が離せません。