岡山大学が三朝での大綱引き体験を通じて地域文化を学ぶ

岡山大学の学生たちが体験した三朝の大綱引き

2025年5月、岡山大学の日本人学生7人と留学生14人からなる21名のグループが、鳥取県の三朝町で行われた伝統行事「陣所大綱引き」の準備と運営に参加しました。この活動は、大学の全学共通科目の一環として位置付けられており、実践型多文化共修授業の一環です。

「陣所大綱引き」は、400年以上の歴史を持ち、国の重要無形民俗文化財に指定されています。地域文化の継承と発信に貢献すべく、岡山大学は文化庁から「日本遺産サポーター大学」として認定されており、今回の授業もその一環とされています。

大綱引きの準備と運営

活動は3泊4日のスケジュールで実施され、最初の日には地元の住民と共に、地域の川から藤カズラを引き上げる作業が行われました。次に、学生たちは東西に分かれてそれぞれ約80メートル、重量2トンの大綱を作成し、祭り当日には実際に綱引きに参加しました。参加者は皆、異なるバックグラウンドを持つ仲間たちと協力しながら、地域の伝統行事の重要性やコミュニティの力を実感しました。

学生からは「地域の人々の熱意に触れることができ、日本文化への理解が深まった」「国や言語を越えた仲間との協力によって、達成感を味わえた」との声が寄せられています。こうした経験を通じて、異文化理解や連携の重要性が再認識されました。

地域文化の継承と多文化共生

岡山大学は、今後も地域社会と連携した実践的な教育を通じて、多文化共生社会を形成する人材の育成に注力していく方針です。また、地域の文化を保存・継承する取り組みにも積極的に参加していくことを宣言しています。

学生たちの活躍を通じて、地域と大学がともに発展していくことが期待されています。このような活動を通じて、学生たちは地元の文化に新たな価値を見出しながら、多様な視点を持った社会人へと成長していくことが求められています。