岡山大学が生殖補助医療の未来を切り拓くシンポジウムを開催

2025年11月7日、国立大学法人岡山大学の生殖補助医療技術教育研究センター（ARTセンター）が主催する公開シンポジウム「生殖補助医療教育の現状と大学間連携が創造する未来」が、ハイブリッド形式で行われました。会場となった岡山大学5D Lab.では、技術を学んだ学生たちの手によってWeb配信も行われ、全国から104人が参加しました。

このシンポジウムでは、生殖補助医療（ART）に関連する教育の現状や、大学間連携の重要性について議論が展開されました。特に、ARTにおいて重要な専門職である胚培養士の養成方法について、全国の大学による連携を強化するためのコンソーシアム設立の意義が語られました。現在、日本では年間出生児数が8万5千人を超えていることから、生殖補助医療の質を高めるための教育体制が急務であるとの認識が広まりつつあります。

シンポジウムの主旨と期待される成果

シンポジウムの冒頭、異分野融合教育研究機構長の佐藤法仁副理事は、国際的にも生殖補助医療教育とその専門家の輩出が重要な課題であり、岡山大学のARTセンターがその中心的な役割を果たすべきだと強調しました。特に、大学間の連携が新しい価値の創造につながることを期待していると述べました。

その後、堤治山王病院名誉院長が基調講演を行い、日本の生殖医療の現状や課題について詳細に分析しました。この講演の後、岡山大学及び参加した大学のART教育に対するアプローチや期待について、それぞれの教授陣から発表がありました。これにより、各大学の特色を活かした専門的支援が強調され、ART教育の今後についての明るい展望が示されました。

参加した大学と具体的な取り組み

岡山大学をはじめ、北里大学、山梨大学、国際医療福祉大学、近畿大学の5つの大学が、コンソーシアム形成を通じて、ART教育の標準化に向けて動き出しています。これにより、教育内容の質の保証が強化され、専門技術者である胚培養士の育成が一層進むことが期待されています。また、今後は各大学の取り組みに連携していくことで、さらに多様な教育コンテンツの開発が進む見込みです。

シンポジウムの成果と地域社会への影響

シンポジウムを通じて、ART教育の現状や、大学間連携がもたらす未来についての議論が深まりました。この取り組みは地域社会のみならず、日本全体に大きな影響を与えることが予想されます。生殖補助医療の質を高めることで、不妊治療を必要とする多くの人々に対して、より良い選択肢と支援を提供できる機会を広げられると思います。

今後も岡山大学とその他の参加大学が連携し、地域のリーダーとして生殖医療の教育を推進していく姿が期待されます。そして、ART教育の質向上が、生殖医療全体の発展に貢献することが望まれます。どうぞ皆様もこれからの岡山大学の挑戦にご注目ください。