岡山発の環境配慮型学生服、エコプロ2025で新たな挑戦を披露

カンコー学生服株式会社の研究機関、学生工学研究所が2025年12月、東京ビッグサイトで開催された「エコプロ2025」に出展し、環境に優しい学生服の取り組みを発表しました。主にプラスチックごみの問題に取り組み、漁網を再利用した制服や土に還る素材での研究成果を展示しました。

環境問題への真摯なアプローチ

近年の海洋プラスチック問題は深刻化しています。特に日本の沿岸では藻場が減少し、海洋生態系が脅かされています。カンコー学生服は、廃漁網を使用して制服を再生するプロジェクトを進行中です。このプロジェクトは、環境保護団体「ALLIANCE FOR THE BLUE」との協力で実現しました。この制服を通じて、学校や地域で環境意識を高め、売上の一部を藻場再生に役立てることを目指しています。

土に還ることを目指して

岡山県立西大寺高等学校などと連携し、土に還る合成繊維素材での取り組みも進めています。このプロジェクトでは、使用後の服をリサイクルし、堆肥化を実現することで、廃棄物や温室効果ガスの排出を削減することを目指しています。
さらに、学生たちが服の堆肥化過程について調査するなど、探究学習も行っています。

猛暑に対応する新たなウェア

気候変動が進み、真夏日の増加が問題になっている現代。学生工学研究所は、屋外での活動時に最適なファン付きウェアの開発にも取り組んでいます。学校の屋外実習などで使用することを想定したこのウェアは、熱中症対策に貢献しています。

リサイクルの新たな可能性を提案

また、廃棄される制服生地を活用した「ジャンボ学生服」の開発も行っています。本来不要となるチェック柄生地を黒染めすることにより、新たな服として再生させる可能性を提案しています。このように、すべての取り組みが環境問題解決に寄与し、学生生活をより快適にするためにデザインされています。

ワークショップでリサイクル意識を高める

展示会では、学生服を構成するパーツを効率良く配置するワークショップも開催され、参加者が実際にリサイクルを意識する体験をしました。無駄を省く工夫を学ぶことで、環境に対する関心が高まります。

未来を見据えるカンコー学生服

学生工学研究所の淵脇菜桜さんは、海洋環境の保護に情熱を持ち、このプロジェクトの重要性を強調しています。彼女は、学生が着用する制服が、環境保護への意識を示すことができる点に喜びを感じています。また、高品質な制服を安定的に提供することで、学生たちが快適な学校生活を送るためのサポートを続けています。

環境への取り組みは、学生たちにとっても大切なテーマです。カンコー学生服の挑戦は、将来の学生たちが持続可能な社会を築いていくための一助となるでしょう。今後も彼らの活動から目が離せません。