岡山の環境ベンチャー
2025-11-27 15:51:30

岡山発の環境ベンチャー「次の灯」が創る新たな循環経済の形

岡山発の環境ベンチャー「次の灯」の挑戦



岡山県、総社市に本社を構える次の灯株式会社は、その名に込められた思いの通り、未来の環境と経済を照らす存在として注目を集めています。2018年に設立されたこの企業は、ディーゼル排気の再資源化に取り組み、CO₂削減量は約8,600万kg、地球223周分に相当します。この驚くべき数字を支えているのは、全国5,000社を超える整備工場や運送会社であり、その数は単なる導入件数を超えています。

次の灯が提唱するのは「環境を守る」ことと「経済を発展させる」ことの両立。これまで、多くの企業が環境対策に取り組みたいと思いながらも、コストや手間が障壁となり、なかなか行動に移せなかったのが現実です。しかし、次の灯はその課題に真正面から取り組み、廃棄物を削減するほど利益が出る仕組みをつくることに成功しました。

現場発の「廃棄から価値へ」の変換



次の灯の主力事業として展開されているのは、ディーゼル車の排気を浄化する装置「DPF(ディーゼル微粒子フィルター)」のリビルト(再生)事業です。本来は廃棄されるはずの部品を、洗浄・再検査・再組付けを通じて再利用可能な形に戻します。この技術によって、最大でCO₂排出量を45%削減することが実現されました。

全国各地の整備工場が「新品より合理的な再利用」を選択し始めたことで、環境対策が単なるコストではなく、価値に変わっていく瞬間を目の当たりにしています。

仕組みのデザインが生み出す新たな価値



次の灯のユニークな点は、再生技術以上に「仕組みの設計」を事業の中心に置いていることです。DPFを回収し、再生して流通させる循環ネットワークを全国に構築。物流や在庫、検査、品質保証までを自社で一元化することで、スピード、品質、環境性のすべてを両立しています。この手法は、業界全体を再設計するアプローチであり、環境と経済が共存できる新たなモデルの形成を促進しています。

循環の共感経済を実現



元々小さな整備工場でスタートした取り組みが、今や全国5,000社を巻き込む拡大を見せています。「使い捨てではない、使い続ける」ことをモットーに、環境に優しいビジネスモデルを全国に広げつつあります。これにより、整備業界だけでなくEVバッテリー、産業廃棄物、燃料添加剤などの新たな分野への展開が進んでいます。

数字が語る次の灯の実績は、導入企業数5,171社、年間再生DPF数18,000個、累計再利用額8.6億円と、その成果は目を見張るものがあります。特に、平均年齢29歳という若いチームが中心となって環境課題に取り組む姿勢は、未来への希望を感じさせます。

地方からアジアへ、世界へ



次の灯が構築する「現場発GXモデル」は、地方から全国へ、さらにアジアへと拡大中です。2025年には埼玉や名古屋、九州に新たな拠点を設置する計画が進行中であり、海外への展開も視野に入れています。「環境負荷を減らすほど利益が生まれる」という構造を世界に発信することが、次の灯の新たな挑戦です。

仕組みを体現する新本社



新たな本社は、単なるオフィスではなく「循環をデザインする会社」を具現化する実験場です。CO₂削減や再資源化に関する実績データが掲示され、挑戦が可視化されています。社員は日々、その数字を見上げながら、次なる5000社への挑戦を続けています。

CEOの思い



次の灯の代表取締役、黒川聖馬氏は「地方にはまだ使えるものや輝ける人がたくさんいる。それを再びめぐらせる仕組みをつくることが私たちの使命です」と語ります。今後の5,000社の共同行動が真のスタートであると強調し、環境に優しい未来を目指す情熱が感じられます。

次の灯が示す未来とその可能性に、私たちもぜひ目を向けていきたいところです。


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