岡山大学が国連世界観光機関を訪問
2025年5月27日、国立大学法人岡山大学の横井篤文副学長と池谷航介准教授が奈良市に所在する国連世界観光機関(UN Tourism)のアジア太平洋地域事務所を訪れました。この訪問では、持続可能なアクセシブル・ツーリズムに関する連携の提案が行われ、地域の観光振興に向けた新しい方向性が模索されました。
アクセシブル・ツーリズムの重要性
昨今、観光業界ではインクルーシブな観光の実現が求められています。交通手段や宿泊施設、観光地の整備が高齢者や障害者を含むすべての人々に優しいものであるべきだとの意見が高まっています。岡山大学としても、世界遺産地域におけるアクセシブル・ツーリズムの推進を強化するため、UN Tourismとともに具体的な事業計画を進めていく意向です。
池谷准教授は、地域の特性も踏まえながら、さまざまな自治体と共同でアウトドア・バリアフリー事業に取り組んでいることを説明しました。アウトドア分野におけるアクセシビリティが整備されることで、より多くの人々が自然を楽しむ機会が生まれると期待されています。
UN Tourismとの意見交換
この会議では、UN Tourismが提案した持続可能な観光地作りに関する国際ネットワーク「INSTO」や、自然環境におけるアクセシビリティに関する優良事例集が紹介され、双方で意見が交わされました。特に、岡山地域が持続可能な開発のための教育(ESD)の先駆けであることから、地域の特性を活かした観光資源の開発が重要視されています。
横井副学長は、岡山大学が環境と地域の持続可能な発展に寄与するため、これらの国際機関との連携を深めていく重要性を訴えました。大宅千明副代表も国連の取り組みを社会に広げ、広範な貢献を果たすことが必要であり、岡山大学との協力の可能性に期待を寄せました。
持続可能な観光の未来
岡山大学は、SDGsの実現に向けた取り組みの一環として、持続可能な観光の発展を推進していく考えです。地域の特性に基づいて教育を充実させ、地域社会や国際的なパートナーシップ構築に向けて活動を精力的に進めていく姿勢を示しています。
今後、岡山大学が地域の中核となる研究大学として、どのような活動を展開していくのか、その動向が非常に楽しみです。観光に限らず、地域全体の持続可能な発展に向けた幅広い取り組みが期待されます。