岡山の水上ドローン「マリンドローン」護衛艦引渡式でデモを実施

2025年6月19日、岡山県玉野市において行われた防衛省向け護衛艦「ゆうべつ」の引渡式において、株式会社一冨士本店と一般社団法人日本マルチコプター協会（JMA）が共同開発した新型水上ドローン「マリンドローン」のデモンストレーションが行われました。

デモンストレーションの内容

このデモは、三菱重工マリタイムシステムズ株式会社玉野本社工場で実施され、護衛艦「ゆうべつ」の引渡式に華を添える形となりました。「マリンドローン」は、さまざまな任務に対応する能力を持ち、水難救助からインフラ点検、警戒監視までの幅広い用途が期待されています。

デモンストレーションでは、実際の水上での運航性能やその操作についての説明が行われ、多くの来場者・防衛省関係者から注目を集めました。事故や自然災害の発生時にリアルタイムで情報を提供することで、事故対応の迅速化が図れることが評価されています。

「マリンドローン」への期待

防衛省の関係者は「人が近づけない場所の状況をリアルタイムで把握することができ、初動対応が格段に早くなる。民間製品の活用により低コストで導入が可能になり、安全な救助活動が実現可能になる」と述べており、技術の社会実装に対する高い期待感が表れています。

開発の背景と今後の展開

「マリンドローン」は、日本が抱える水害や人手不足といった課題を解決するために設計されました。株式会社一冨士本店の代表取締役工藤政宣氏は、「マリンドローン」の可能性を語り、今後の社会実装に向けた改良と、関係機関との連携強化を重視していると話しました。

その用途としては、自衛隊や消防、警察による救助活動の多大な支援が見込まれています。また、密漁や密航に対する警戒船としての使用、水産業における養殖場の点検など、幅広い活用方法が提案されています。特に、災害時の救助活動においては、その能力が一層求められる場面が増えるでしょう。