岡山大学のALS研究
2025-07-20 14:45:13

岡山大学が発見したALSの新たなメカニズムと治療への期待

岡山大学が発見したALSの新たなメカニズムと治療への期待



筋萎縮性側索硬化症(ALS)は、運動神経細胞が減少し、身体に麻痺を引き起こす深刻な神経疾患です。この病の発症メカニズムには多くの謎が残っていますが、岡山大学の研究チームが新たな解明を果たしました。彼らの発見によれば、DNAJC7という遺伝子が機能しなくなると、家族性ALSが引き起こされることが明らかになりました。

DNAJC7の役割とは?


この遺伝子は、細胞内でタンパク質の品質を管理する役割を担っており、特に“ヒートショックタンパク質”に関与しています。研究グループは、日本人家系における家族性ALSの解析から、DNAJC7における両アレルの病的変異がALSの発症に寄与することを突き止めました。この発見は、ALSの治療に向けた新たな道しるべとなる可能性があるとされています。

研究の進展と治療法への期待


研究では、モデル生物や細胞実験を経て、DNAJC7が不活性な状態だと、ALSの病理指標であるTDP-43が異常に凝集し、神経細胞がダメージを受けることが実証されました。逆に、DNAJC7を強く発現させることでTDP-43の異常凝集が改善されることが確認され、この遺伝子がALS治療の新たなターゲットとなることが期待されています。

研究者の声


准教授の山下徹氏は、「家族性ALSの原因がDNAJC7であることがわかった際の驚きは今でも忘れません。今後は、DNAJC7を含むヒートショックタンパク質群の制御を目指し、さらなる研究を進めていきたい」と語ります。

また、石浦浩之教授は、「タンパク質品質管理に関わるDNAJC7の機能喪失が家族性ALSを引き起こすことが今回の研究で明らかとなり、これは新たな治療法の確立に向けた重要な一歩です」とのこと。

今後の展望


これらの研究成果は、2025年7月1日、日本時間午前0時に国際科学誌「Acta Neuropathologica」を通じて公開されました。ALSの治療に新たな進展が見込まれる中、今後の研究に期待が寄せられます。愛知万博に向けた新たな技術革新や、医療分野の発展がますます重要なテーマとされる中、岡山大学はその一翼を担い続けることでしょう。

このような研究は、多くのALS患者やその家族に希望をもたらすものであり、さらなる研究の進展が待たれます。岡山大学の研究者たちの努力と発見が、ALS治療の未来に大きな影響を与えることを期待しています。


画像1

画像2

画像3

画像4

画像5

画像6

画像7

画像8

画像9

画像10

関連リンク

サードペディア百科事典: 岡山大学 ALS 遺伝子解析

トピックス(その他)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。