岡山大学の医工系コースで研究室見学を実施
国立大学法人岡山大学(岡山市北区)は、2025年11月17日と18日の2日間にわたり、TCカレッジ「医工系TCコース」の中級カリキュラム『研究室見学』を行いました。このプログラムでは、受講生が学内の研究施設を訪問し、実際の研究環境や先端機器を体験することが目的です。
研究室見学の内容
初日は、本学の津島キャンパス内の5つの研究室を訪れる機会があり、内田哲也教授(環境生命自然科学学域)による高性能走査プローブ顕微鏡(SPM)や人工網膜の説明を受けました。特に、SPMの実機を用いての解説は参加者にとって非常に印象的でした。また、クリーンルームでの人工網膜製造の見学も行い、研究の現場を体感する貴重な時間となりました。
次に、舟橋弘晃教授(ARTセンター)と井上岳人准教授(異分野融合教育研究領域)から、不妊治療や胚培養士養成に関する説明がありました。その後、フローサイトメーターやリアルタイムPCRといった共通機器の見学も行われました。これらの機器を間近で見ることで、参加者たちは実際の研究作業の様子を理解することができました。
午後には、異分野基礎科学研究所の沈建仁教授、沼本修孝准教授、蔡弼丞助教から、今年度新たに追加されたクライオ電子顕微鏡についての説明が行われました。特に、クライオプラズマFIB-SEMやThermo Scientific Krios G4の紹介では、実際に特殊なメガネを使用して立体的な分子構造の画像を見せていただき、データ解析の奥深さに一同驚かされました。
初日の締めくくりとして、砂月幸成准教授(自然生命科学研究支援センター)らによるICP発光分光分析装置やNMR装置など、最新機器の見学も行われました。前日からの一連の流れで参加者は非常に多くの刺激を受けました。
2日目の岡山大学病院見学
18日は、岡山大学鹿田キャンパスにて岡山大学病院の遺伝子・ゲノム融合推進検査室を見学しました。冨田秀太教授からの概要説明の後、がん遺伝子パネル検査の手順に関するレクチャーが行われ、専門技術に関する実践的な知識を得られる貴重な機会となりました。
特に、全自動遺伝子検査装置cobas6800システムの見学は、最新の遺伝子解析技術を間近に体験することができ、今後の医療にどのように貢献しているのかを具体的に知ることができました。冨田教授には、デジタル空間プロファイラーGeoMxを用いたマルチオミックス解析の体験もさせていただき、参加者の意識が高まる瞬間となりました。
参加者の声
今回見学に参加した技術職員の井澗美希さんは、「岡山大学にこのような高度な機器があることに驚きました」とコメント。別の参加者である藤井匡寛さんは、「複数の異なる分野の研究や機器に触れる機会を得られたことが非常に貴重でした」と述べ、高度な専門人材としての必要性を痛感したと振り返りました。
また、萩原慶彦さんは「最先端技術に触れられたことが非常に刺激的で貴重な体験でした」と語り、今後の研究支援に役立てる意欲を示しました。
今後に期待
佐藤法仁副理事・副学長は「岡山大学のさまざまな分野の研究機関が相互に結びつくことで、さらなる知識の拡充が期待できる」と述べ、引き続き地域中核・特色ある研究大学としてさらなる発展を目指す意向を示されました。これからも、岡山大学の技術職員の活動や研究の進展にご期待ください。