教員の働き方改革が進まない理由
システックITソリューション株式会社が実施した調査によると、全国の中学校・高等学校の教職員の約70%が働き方改革が「進んでいない」と感じています。この背景には授業準備や成績処理、学校行事の運営など、依然として多くの業務が紙や手作業に依存しているという実態があります。
調査概要
今回の調査は2026年に,全国の教職員1,010人を対象に行われました。主な調査目的は教員の残業時間と校務支援システム導入による業務効率化の期待値を把握することです。
調査結果によれば、約6割の教職員が月30時間未満の残業を行っており、残業の主な原因は「授業準備(42.2%)」や「成績処理(33.7%)」といった業務です。残業が多い結果、約8割が「やりがい低減」を感じていることも明らかになりました。
多忙の原因
教職員が日常業務で直面する課題には多くの事務的負担があり、やりがいを感じる場面が減少している反面、現場ではデジタル化が進まないため、効率化の実感が得られにくい状況です。また、約40%の教職員は月30時間以上の残業をしており、6割近くは「60時間以上」の長時間労働をしています。これは教員の働き方の二極化を示しており、極端な長時間働く層とそれ以外に分かれています。
校務支援システムの期待と現実
名目上の「働き方改革」が進まない中、校務支援システムの導入に対して期待を寄せる教員も多いですが、それにしても効果が見込まれる時間は「5時間未満」が最多で、最高で「10〜15時間未満」を期待する声もありました。
また、役職や業種によってシステムの効果に対する認識は異なり、管理職は効率化への期待を寄せる一方で、現場教員はその実感が乏しいとのことです。これは、人間とシステムの業務をどのように分けるか全体的な見直しが求められています。
未来へ向けた提言
効果的な働き方改革とは、単に長時間労働を減らすだけでなく、「何に時間を使うか」という質を見直すことが重要です。具体的には、校務支援システム導入後の生まれた時間を「休息」や「授業改善」に使いたいとの声が多く、そういった環境を整えることが教員のモチベーション向上につながります。
また、業務の見直しや非効率な業務の削減は潜在的な職員不足を補うためにも急務です。教育現場での改革推進は、教員が生徒と向き合える環境を整える一歩となるでしょう。
まとめ
教員の働き方改革は、システム導入や業務見直しを進めることで少しずつ進展が期待できるものの、実際の現場では多くの課題が残されています。しっかりとしたアプローチを取ることで、教育の質を保ちながら、教職員の働き方も改善できる第一歩へと進むことができるのです。