ブルーシートのリサイクルで環境保護に貢献
建設現場で使用されるブルーシートの廃棄物をリサイクルし、新たな資源循環のモデルケースとして注目を集めているのが、萩原工業株式会社と株式会社あいホームが締結した協定です。この協定は、2025年8月に双方が連携し、ブルーシートの廃棄物を再評価する「水平リサイクル」の取り組みを開始します。これは、東北地方における新たな試みであり、持続可能で環境に優しい社会の実現に向けた重要な一歩となります。
プロジェクトの背景と目指すもの
建設業界では、廃棄物の削減と資源の循環利用が急務とされています。萩原工業は、ブルーシートを建材料として再生するプロジェクト「Re VALUE+」に取り組んでおり、あいホームも年間約250棟の住宅建設を行っています。この取組みにより、年間約15トンのブルーシートの廃棄を回避し、新しい価値を生み出すことを目指しています。
「Re VALUE+」という名称には、3つの意味が含まれています。リサイクル、再価値化、そして新たな技術の象徴としての「+」です。このプロジェクトにより、使用済みのブルーシートはただの廃棄物ではなく、再生素材としての命を戻され、次世代のどこかで新たなブルーシートへと生まれ変わります。
循環型社会の実現に向けた協力体制
提携では、あいホームが建設現場で使用したブルーシートを回収し、萩原工業はそれを原料にして新たなブルーシートとして製造します。この循環システムでは、使用済みシートが宮城県内の産廃処理業者に回収され、その後、中間処理を経て、萩原工業が所有する岡山県内の工場へ運ばれます。
それぞれの工程では、協力企業が分別・洗浄を行ない、再生ペレットとして原料化されます。このペレットは再びブルーシートに加工され、あいホームの建築現場で再利用される流れです。
リサイクル工程の詳細
ブルーシートがリサイクルされる過程は、非常に精密です。使用済みブルーシートは、まず湿式粉砕機で粉砕され、付着物が除去されます。
次に、浮遊沈殿槽で比重を利用した洗浄が行われ、土や砂などの重い物質が沈殿します。この後、リファイナーという特殊な機械が用いられて連続的な洗浄が行われ、細かな不純物が取り除かれます。最後に、圧搾脱水機が用いられ、シートは圧縮されることで水分が取り除かれ、再生ペレットができあがります。
加えて、ブルーシートの洗浄に使われた水は、別の水処理ラインで汚れを取り除き、循環利用されることが工夫されています。
パートナー企業の募集と未来への展望
萩原工業は、環境に配慮した製品づくりや資源循環の理念に共感するパートナー企業を広く求めています。共に未来の持続可能な社会を築くために、リサイクルの可能性を拡げ、新しい価値を創造していきたいと考えています。
このブルーシートの水平リサイクルプロジェクトは、岡山と東北の企業が連携して新たな環境への取り組みを行う素晴らしい例として、他の地域にも広がっていくことが期待されます。持続可能な社会を築く一助として、ぜひ、各企業の参加が広まることを願っています。