真庭高校とFIVORが手を組む新たな教育プロジェクト
岡山県真庭市で、株式会社FIVORと真庭高等学校が連携し、未来型の栽培システム「アクアポニックス」を用いた技術学習を開始します。この取り組みは、持続可能な農業と漁業をモットーにしており、2030年以降の食と環境に関する新たな視点を学生たちに提供することを目的としています。
アクアポニックスとは?
アクアポニックスは、水耕栽培と水産養殖を組み合わせた栽培システムで、植物と魚が相互に利益を得る循環型の環境を作り出します。魚の排せつ物が植物の栄養分となり、植物が水を浄化する仕組みにより、持続可能な栽培環境が実現されます。これにより、食料生産の効率が向上し、環境負荷を軽減することができるのです。FIVORは、このアクアポニックスシステムを手軽に導入できる「TAMATE BOX」という装置を開発し、農業・漁業の現場に新たな風を吹き込もうとしています。
現代農業・漁業の課題
近年、農業の労働力不足や異常気象の影響で作物の収穫量が不安定になっています。また、漁業においては、海水温の上昇や海洋汚染が漁獲量に深刻な影響を及ぼしています。アクアポニックスはこうした問題を解決する可能性を秘めており、環境変動に強い栽培・養殖システムとして注目されています。
真庭市の取り組みとFIVORとの連携
真庭市は、農業を主軸にした「循環連携・共生社会」の実現を目指しています。農業就業者が人口の10%を占め、(全国平均は約3%)地域資源を最大限活用するため、真庭高校では「食農生産科」が設置され、農作物の生産から加工、販売までを教育しています。FIVORとの連携は、学生たちにアクアポニックスに関する知識を深めさせ、地域の未来を支える人材の育成を目指しています。
学生たちの学びと今後の計画
2025年10月から、真庭高校はFIVORからの技術指導を受け、生徒たちがアクアポニックスの実際の仕組みを学べる授業がスタートします。生徒はアクアポニックス装置の特徴やビジネス展開について学ぶ機会を得る予定です。
また、22日にはFIVORのショールーム見学会も実施され、実物を見ながら理解を深めることができる貴重な体験が提供されます。展示や説明を通じて、新たな課題を見出し、実践的な知識を得ることが期待されています。
未来への期待
2026年以降、さらに多くの連携が進むことが見込まれ、アクアポニックスを介した教育の機会が増えるでしょう。FIVORは、持続可能な資源を活用した循環する生活を実現するための設備を提供し、地域の活性化に寄与する意向を示しています。
この新しい教育プロジェクトへの取り組みは、地域の特性を生かした学びと実践の場を生徒たちにもたらし、岡山県の未来を明るく照らす重要なステップとなるでしょう。真庭高校の生徒が、次世代のリーダーとして成長する姿に注目です。FIVORとのパートナーシップは、未来の農業、漁業に新たな希望を与えてくれる、まさに革新的な取り組みと言えるでしょう。