蓄電池導入サービスの新たな展開
関西電力株式会社が提供する法人向け「蓄電池オンサイト導入サービス」において、岡山県玉野市の企業、株式会社パワーエックスが開発した蓄電システムが採用されることとなりました。この革新的なサービスは、高圧または特別高圧の電力を契約している法人を対象としており、顧客の事業所敷地内に蓄電池を設置し、初期の投資負担がない状態で導入・運用が可能になっています。
このたび採用されたのは、中型蓄電システム「PowerX Cube 360」と、コンテナ型蓄電システム「Mega Power 2700A」の2製品。これらは国内で開発及び製造されており、中小事業所から工場、物流倉庫などの大規模な需要家まで、幅広い事業ニーズに対応できる仕組みです。
AI制御による効率的な電力運用
特に注目すべきは、関西電力が開発したAIを搭載したクラウド型制御システム「SenaSon」との連携です。このシステムは、電力需要や太陽光発電量の予測に基づいて、蓄電システムを最適に運用することが可能です。ピークカットやデマンドレスポンス(DR)機能を活用することで、電気料金の削減が見込まれます。
実際に、本サービスによる初号案件として、共栄フード株式会社が群馬県佐波郡玉村町に建設中の東日本工場に「PowerX Cube 360」計3台、合計容量969 kWhを導入予定です。2026年春から運用を開始する予定で、同工場では太陽光発電システム(定格出力:1.3MW)と連携し、SenaSonを使って電力ピークを抑制し、コストを平準化させることが狙いです。
環境配慮とコスト削減
パワーエックスは、今後も様々なパートナー企業との協業を進め、蓄電システムの導入を拡大していく考えです。この取り組みにより、法人顧客の電力コスト削減や、事業活動に伴う環境負荷の低減にも積極的に寄与していく意向を示しています。
関西電力の蓄電池オンサイト導入サービスやAI制御システム「SenaSon」について、詳細情報はそれぞれの公式サイトからご確認ください。新たな蓄電システムの導入が、法人向けのエネルギー運用にさらなる進化をもたらす期待が高まっています。