東京都八王子市で新たなロボット配送サービス開始
2023年5月19日、東京都八王子市南大沢エリアにおいて、セブン-イレブンと自動配送ロボットを手掛けるLOMBYが共同で実施する実証実験がスタートしました。この実験では、セブン-イレブンの商品を屋外型の自動走行ロボット『LOMBY』が自宅までお届けします。この取り組みは、少子高齢化や将来的な人手不足といった社会問題を背景に、買い物が難しい地域での利便性向上を目指しています。
自動配送の仕組み
LOMBYロボットは、伊豆箱根鉄道の技術を活用し、信号や横断歩道を自動認識して走行します。また、スズキの特許技術を基にした電動モビリティベースユニットを活用し、安全で効率的な配送を実現しています。この実験の特徴は、セブン-イレブンの約3000アイテムを配送可能で、地元の個人宅まで広範囲でサービスを提供する点にあります。
ロボットの配送エリアが最大規模であることから、地域のニーズに応じた実証実験を行うことが可能となります。これにより、様々な社会的な課題解決の一助となることが期待されています。
南大沢エリアの利便性向上
南大沢エリアは丘陵に位置し、坂道や階段が多く、特に高齢者の移動に大きな負担があります。そこで、この実験は南大沢スマートシティ協議会と協力し、地域のお客様の利便性を向上させることを目的としています。ロボットによる配送が地域社会にどのように受け入れられるかを検証し、実用化へつなげることが今後の目標です。
この実証実験により、ロボット配送の可能性を確認しつつ、他のエリアへの展開も視野に入れて進められています。さらに、ロボット配送を希望しない場合や混雑時には、通常配送に切り替えることができるため、フレキシブルなサービスが提供されることでしょう。
スズキとLOMBYの連携
LOMBYは2022年に設立されたスタートアップ企業であり、自動配送ロボットの開発とサービス運用を主な業務としています。スズキとは2022年に共同で自動配送ロボットの研究を開始し、2023年には契約を締結しました。スズキは電動モビリティベースユニットの設計・開発を担い、LOMBYはロボットの試作や配送システムを構築しています。
実証実験は、NEDOの助成を受けながら進められており、将来的な量産を視野に入れた研究開発が行われています。都市部での運用コストの検証が進む中、2025年度には量産が予定されています。
このように、八王子市南大沢エリアでのロボット配送サービスは地域の生活をより便利にする新たな試みとして注目されています。今後の展開に期待が寄せられています。