岡山の若手アーボリスト、河内孝介氏が香港大会で総合優勝
岡山県吉備中央町にて樹木の管理をおこなう「株式会社かわうち林業」の代表である河内孝介氏(31歳)が、2025年12月に香港で開催された国際大会「HKTCC2025(Hong Kong Tree Climbing Championship 2025)」において、見事に総合優勝を果たしました。この快挙は、日本人アーボリストとしては非常に珍しい成功であり、世界の舞台でその技術をアピールする重要な機会となりました。
ツリークライミングチャンピオンシップについて
HKTCC2025は、世界中から選ばれた強豪が集まる大会で、選手たちは樹木を巧みに登りながら特定のミッションを遂行します。今年の決勝戦では、約25mの高さを持つ2本の巨木を利用し、30mの水平移動を要求される非常に難易度の高い設定でした。4700人以上の観客が見守る中、河内氏は制限時間30分内で、ロープを設置し4つのベルを鳴らして地上に戻るというミッションを見事に達成。どう移動するか、どのベルを鳴らすかの戦略が勝敗を分けるこの大会で、彼はすべての課題をクリアし、優勝に輝きました。
その結果、河内氏は大会の際立つパフォーマンスにより、国際樹木栽培協会(ISA)の基準に適合した安全性と効率性を証明しました。これは単なるタイムアタックを超えた、戦略的で計画的な技術が求められる結果であり、今後のアーボリストの活動にも大きな影響を与えることでしょう。
アーボリストの重要性
アーボリストとは、樹木の特性や生態に深く理解を持ち、高いロープ技術を用いてメンテナンスや診断を行う専門家のことを指します。実は日本でアーボリストの概念が広まったのは約20年前。以前は樹を切ることと保護することが同じく扱われていましたが、河内氏のような若手アーボリストの活躍は、技術的革新コンサートの第一歩と言えます。
海外では「マインドフルネス」を求めて森林を訪れる文化が広がっています。さらに、庭に大きな樹があることで住宅の価値が上がるといった考え方も一般的です。しかし日本では、恵まれた森林資源を持つが故に、「不要な樹木は撤去すべき」とする意識が根強く残っています。加えて高齢化社会に伴い、個人で樹木の保護が難しい家庭も増えており、樹木保護の意識の差は今後も拡大していくと考えられます。
今後のビジョン
河内氏は「樹を生き物として愛してほしい」と強調し、アーボリストの重要性と樹木に対するリスペクトを広めることを目指しています。彼は「健康な樹を切る相談があれば、必ず保全の提案をします。日々の業務を通じ、樹木と生活することで心が豊かになることを感じています。もっと多くの人が樹木について深く考え、身近な存在として見つめてもらえればと思います」と語りました。
今後も河内氏とかわうち林業のスタッフたちは、高い技術力を駆使し、日本の樹木文化を「消費」から「共生」へと変えることを目指しています。その姿勢は、これからの日本における樹木の価値や保護の意識を高めていく鍵かもしれません。