岡山大学の新発見
2025-05-11 20:37:31

岡山大学が海洋環境維持に貢献するハプト藻の新構造を解明

岡山大学が海洋環境維持に寄与する発見



2025年5月、岡山大学は海洋環境を支えるハプト藻の光化学系II(PSII)-フコキサンチン・クロロフィルc結合タンパク質(FCPII)超複合体の構造を解明しました。この研究は、チューニングされたクライオ電子顕微鏡を用い、2.2Åの高分解能で実施されました。これにより、従来知られていなかった新しい構造が明らかになりました。

ハプト藻の重要性



ハプト藻は、海洋のバイオマスを30~50%生産し、地球上の炭素固定の10%や海洋の炭酸カルシウム(CaCO3)生成の50%を担っています。しかし、これらの藻類によるエネルギー変換システムの詳細は未だ解明されていませんでした。今回の研究は、その複雑なメカニズムを解明するための第一歩となるでしょう。

新たな構造の発見



研究チームは、ハプト藻の一種であるChyrostila roscoffensisからPSII-FCPIIの構造を解析しました。驚くべきことに、これまで知られていた他の藻類とは異なり、PSIIの両側にそれぞれ6つのFCPIIが接続していることが判明しました。この新しい配置により、エネルギーがどのように伝達されるかのメカニズムに有意義な洞察がもたらされました。

特に、12個のFCPIIのうち1つは、エネルギー伝達と余剰エネルギーの散逸を行うハブとしての役割を果たしている可能性が示されました。この発見は、海洋エコシステムでのエネルギーの流れを理解するための鍵を握っています。

先進的な技術の活用



岡山大学異分野基礎科学研究所の国際構造生物学研究センターで使用されているクライオ電子顕微鏡Titan Krios G4は、精密な構造解析を可能にします。この技術を駆使することにより、研究チームは未同定だったサブユニットPsb36の配列を初めて決定しました。この成果は、エネルギー伝達の機構をより詳細に理解する手助けとなるでしょう。

いよいよ進化の理解へ



今回の研究結果は、ハプト藻の生態におけるエネルギー伝達機構の新たな理解をもたらしました。この発見は、進化の過程におけるPSII-FCPIIの変化についても洞察を深めるものです。これにより、海洋環境の保全と持続可能な利用に向けた新たなアプローチが期待されます。

今回の研究成果は、著名な学術誌「Nature Communications」に掲載され、多くの研究者に注目されています。このような革新的な取り組みは、今後も岡山大学の研究者たちによって続けられることでしょう。

今後の展望



岡山大学は、持続可能な開発目標(SDGs)の実現に向けた取り組みを強化しており、今回の研究成果もその一環です。ハプト藻の研究は、環境問題に対する新たな解決策を提供し、学術界、産業界、地域社会の連携を通じて、持続可能な未来を築く一助となることでしょう。岡山大学の今後の研究にご期待ください。


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