岡山大学、三朝町で耳鼻咽喉科外来を新設
国立大学法人岡山大学は、鳥取県中部医師会立三朝温泉病院と連携し、2026年10月から三朝町に耳鼻咽喉科の外来診療を開設することを発表しました。この取り組みは、地域の医療ニーズに応えるものであり、特に高齢者の健康維持に寄与することを目指しています。
知られざる地域の医療課題
三朝町は山間部に位置し、耳鼻咽喉科の医療機関や補聴器販売店が存在しないため、住民は町外に出なければならない現状があります。このため、高齢者にとっては移動が大きな負担となり、医療アクセスの困難さが課題となっています。岡山大学病院聴覚支援センターの片岡祐子准教授は、地域住民向けの講演会を通じて、こうした問題に強く対処する必要性を実感しました。
この取り組みは、地域住民が受診するための機会を提供するだけでなく、耳鼻咽喉科診療を通じて補聴器の選び方や調整方法についても指導することを目指しています。これにより、地域住民が自身の聞こえの問題に対処できる環境を整えることが期待されています。
診療の具体的な内容
三朝温泉病院に耳鼻咽喉科外来を開設するにあたり、初期投資を抑えた小規模な診療モデルを使用します。診療には可搬型の聴力検査機器や医療機器を導入し、地域の既存設備も活用します。外来は毎月第1木曜日に行われ、初回診療は2026年10月8日に実施されます。片岡准教授が診療を担当し、Audika株式会社の認定補聴器技能者が補聴器の選択や調整をサポートします。
継続的な評価と地域支援の重要性
試行開始から6カ月間、受診者数や住民のニーズ、診療の成果を評価することで、今後の展開を検討する予定です。需要が確認された場合は、診療内容や機器の拡充を進め、地域住民のより良い聴覚医療を実現する計画があります。
このプロジェクトは、単に耳鼻咽喉科の診療機会を提供するだけでなく、住民の意見を基に必要な医療環境を築くことを目指しています。また、初期投資を抑えた形での試行が、他地域への応用可能性にもつながります。医療資源が限られた地域において、既存の地域資源と専門家を組み合わせることで、持続可能な医療体制の構築が期待されます。
岡山大学は、地域の健康向上に向けた取り組みを通じて、新たな「聞こえの医療」モデルの実証と地域社会との連携を進めていきます。これからの進展に期待が寄せられています。