岡山大学の新たな取り決めがもたらす安全保障研究の未来に迫る

岡山大学が示す新たな研究の方針

国立大学法人岡山大学（本部：岡山市北区、学長：那須保友）は、2025年6月に「岡山大学における安全保障に関わる研究活動の取り決め」を制定しました。この取り決めは、教育研究評議会での審議を経て、役員会で決定されたもので、研究者が行う活動の自主性を尊重しつつ、大学全体がその活動を支援することを目的としています。

新たな5つの取り決め

取り決めは以下の5つのポイントから成ります。

1. 防衛装備庁に関する申請
従来通り、事前の学内審査を経た上で、申請を行います。

2. 海外の軍事関連の資金に関する申請
国外の軍事組織や関連官庁からの競争的資金の申請についても、事前に学内審査を行います。

3. 学術発表の情報通知義務
海外の軍事組織が提供する学術発表の場に関しては、事前に大学へ通知することが義務付けられ、再考を依頼する場合もあります。

4. 海外研究者の受け入れに関する確認
海外からの研究者、教員、留学生については、受け入れ前に十分な確認を行い、経済安全保障に関わるリスクに配慮します。離脱時には、安全保障に関する誓約書を徴取する体制を整えます。

5. 共同研究の事前審査
共同研究についても同様に事前の学内審査を必要とします。

研究環境の整備に向けた意気込み

岡山大学は、「岡山大学研究ポリシー」に基づき、研究の自主性と自立性を重視しており、経済や安全保障に関する急速な世情の変化にも柔軟に対応しています。研究インテグリティの確保も重要視されており、他大学と比較しても一歩踏み込んだ取り組みが行われています。

佐藤法仁副学長は、今回の取り決めに関して「大学は、研究者たちの活動をしっかりと守ることが求められています。そのための体制を一元化し、リスクを明確に認識し、より良い研究環境を整えていきたい」と述べています。

岡山大学の研究力の強化を目指して

岡山大学は、地域中核の特色ある研究大学として、経済を含む安全保障の研究活動において持続可能な運営を推進しています。那須学長は、「今回の取り決めは、他大学よりも進んだ内容であり、大学だけでなく国全体にとっても重要です。教育研究活動にはリスクマネジメントを取り入れたえ、専門的な人材育成にも力を入れていきます」と強調しました。

このように、岡山大学は今後も地域における研究活動の質を高め、持続的な社会貢献を果たすことを目指しています。経済安全保障を含む未来への取り組みを見守りましょう。