佐々井秀嶺師とその著書『闘う菩薩道』
2025年12月5日、私たちが今注目すべき仏教書『闘う菩薩道:我が使命いまだ尽きず』がサンガ新社から刊行されました。本書は、インド仏教の復興に尽力する日本人、佐々井秀嶺師の半生を自らの言葉でつづったもので、彼の求道の軌跡を辿ることができます。長年絶版となっていた著書『必生 闘う仏教』と『求道者:愛と憎しみのインド』を合わせ、新たに書き下ろしを加えた決定版です。さらに、佐々井師がゆかりの全国のお寺を紹介する日本地図も収録され、より深く彼の思いを感じ取ることができる一冊となっています。
佐々井秀嶺師の生涯
佐々井秀嶺(ささい・しゅうれい)師は1935年、生まれ故郷の岡山県を離れ、仏教の道へと進むことになります。1960年に得度し、その後1965年にタイに留学。1967年にはインドに渡り、そこでインド仏教復興運動に身を投じます。彼は、カースト制度に苦しむ不可触民たちの解放に向けた活動に力を入れ、インド政府のマイノリティコミッションの仏教担当としても活躍しました。彼の活動は、現在約1億人のインド仏教徒から非常に大きな支持を受けています。
インドのカースト差別とは
インドには古くからカースト制度が存在し、それによって多くの不可触民(ダリト)が差別に苦しんできました。その根深い差別は、1950年のインド憲法によって禁止されたにもかかわらず、未だに社会の隅々に残っています。これに対抗する運動は、インドの法相、ビームラーオ・アンベードカルによって始められ、彼は自身も不可触民出身であり、多くの人々を仏教に改宗させました。こうした背景の中、佐々井秀嶺師は自身の人生を捧げて、インドの仏教復興を促進してきました。
佐々井秀嶺師の活動とその影響
2004年にフジテレビで放映されたドキュメンタリー『男一代菩薩道』によって、佐々井師は日本での知名度を高めました。その後、彼は日本に帰国することも増え、様々な媒体で紹介される機会が増えました。特に、IT起業家との出会いや、インドでの彼の活動を通じた交流が注目されます。小野裕史氏が彼の弟子として改宗し、法名「龍光」として活動する姿は、多くのファンの間で話題となりました。
『闘う菩薩道』の重要性
この書においては、佐々井師自身の人生の軌跡が詳細に描かれています。彼の苦悩や仏教との出会いから始まり、インドでの実践、不可触民解放の活動に至るまで、彼の言葉からは強い信念と深い思索が感じられます。特に、現代においても通じる仏教の考え方やその社会的意義について考察されており、日本の仏教界からも大きな関心を集めているのです。
おわりに
今回の『闘う菩薩道』は、佐々井秀嶺師の活動のみならず、インド社会における仏教の役割、そしてカースト差別との闘いにおける彼の使命が深く描かれた貴重な一冊です。彼の言葉から、私たちが何を学べるのか、そしてどのように仏教が現代に影響を与え続けるのかを考える良い機会となることでしょう。書籍は2025年12月5日から、アマゾンや全国書店で購入可能です。この機会にぜひ手に取ってみてください。