ドローンの安全な自動飛行を実現する新サービス
近年、ドローンの利用がさまざまな分野で急速に進化しています。その中でも、目視外飛行(レベル3/3.5)の実施は特に注目されており、物流やインフラ点検、災害対応などの分野での活用が期待されています。そんな中、一般社団法人日本ドローンビジネスサポート協会が「上空電波測定サービス」の提供を開始しました。このサービスは、ドローンの自動飛行において通信品質を事前に検証することを目的としており、安全性と信頼性の向上を図ります。
背景と課題
ドローンの技術は日々進化していますが、特に長距離飛行の安全性が課題となっています。従来の送信機ではなく、上空のLTE通信によって飛行するケースが増えていますが、地面向けに最適化されたLTE基地局は、高度によって予測が難しく、飛行ルートを計画する際には事前の電波環境の調査が不可欠です。そこで、協会は2016年の設立以来の知見を基に、上空の電波環境を測定するサービスを開発するに至りました。
サービスの特徴
「上空電波測定サービス」では、実際にドローンを飛行させて上空のLTE電波強度を測定します。このデータに基づいて、最適な自動飛行ルートの設計をサポートします。対応キャリアとして、NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクがあり、測定項目には基本計測としてRSSI、オプション計測としてTAC、Cell ID、EARFCN、周波数帯、帯域幅、RSRP、RSRQ、SINRなどが含まれます。
測定結果は様々な形式で提供されます:
- - 2Dマップ:電波強度を色分け表示し、簡単に環境を把握できる地図
- - 3Dマップ:高度情報を加えた立体的な電波強度分布
- - 統合マップ:2D図と横断面図を同時に表示し全体を視覚的に把握
- - 統合レポート:詳細な電波強度変化の分析
価格と提供開始
このサービスは、2025年10月1日から提供が開始され、価格は測定エリアや範囲、オプション計測項目により変動します。対象エリアは全国と広範囲です。
サービスの効果
この新サービスにより、事前の電波環境把握が可能になるため、通信途絶のリスクを大幅に減少させることが期待されます。また、電波強度データを基にした効率的なルート設計が可能となり、試行錯誤による無駄な飛行テストを削減し、コストの削減にも寄与します。さらに、レベル3/3.5独自の規制に対応した通信環境データの提供も可能です。
今後の展開
日本ドローンビジネスサポート協会は、このサービスを通じて様々な分野でのドローン活用を後押ししていく考えです。特に5G通信対応やAIを活用した飛行ルート自動最適化機能の追加など、さらなるサービスの拡充を計画しています。
会社概要
一般社団法人日本ドローンビジネスサポート協会は、岡山県岡山市に所在し、2016年に設立されました。ドローンビジネスに関連する支援事業、技術開発、人材育成、安全運航に関する調査研究を行なっています。代表理事の森本宏治が指揮をとり、より多くの人々に安全で便利なドローンサービスを提供するために日々奮闘しています。
お問い合わせ
本サービスについての詳細は、お気軽に一般社団法人日本ドローンビジネスサポート協会までお問い合わせください。メールアドレスは
[email protected]です。