本研究は、岡山大学大学院自然科学研究科のDilan M. Ratnayake大学院生や田中亮吏教授、中村栄三教授からなるチームによって行われました。彼らは、始生代の海水を模した環境下で実験を行い、紫外線照射による尿素生成を確認しました。この尿素がシアノバクテリアの重要な窒素源であることがわかり、さらにニッケル濃度が高いとシアノバクテリアの成長が抑制されることも明らかにしました。
この研究の成果は、2025年8月12日にNature Portfolio「Communications Earth and Environment」誌に掲載されました。この研究を通じて、シアノバクテリアが光合成を始めてから大酸化イベントが発生するまでの間に、どのように酸素供給が行われたのか、さらに詳細がわかりました。
研究者たちのコメント
Dilan M. Ratnayake大学院生は「研究は巨大なジグゾーパズルのようだった」と話し、実験自体は短期間で終えたものの、その後の考察には時間がかかったと振り返ります。一方で田中亮吏教授は、実験を通じてシアノバクテリアに関する重要な発見につながったことを強調し、共同研究を通じて新たな知見を得ることができたと語りました。