大酸化イベントの謎
2025-09-13 23:23:21

岡山大学が解明した大酸化イベントの鍵、ニッケルと尿素の役割

岡山大学が明らかにした大酸化イベントの秘密



約21億年前、地球の大気中に大量の酸素が現れた「大酸化イベント」。この地球史における重要な現象の原因が、海洋中のニッケルと尿素にあることが、岡山大学の研究によって明らかになりました。研究チームは、これらの物質がシアノバクテリアの成長に与える影響を調査し、酸素濃度の上昇を促すメカニズムを解明しました。

研究の背景と方法



本研究は、岡山大学大学院自然科学研究科のDilan M. Ratnayake大学院生や田中亮吏教授、中村栄三教授からなるチームによって行われました。彼らは、始生代の海水を模した環境下で実験を行い、紫外線照射による尿素生成を確認しました。この尿素がシアノバクテリアの重要な窒素源であることがわかり、さらにニッケル濃度が高いとシアノバクテリアの成長が抑制されることも明らかにしました。

ニッケルと尿素のバランスが成長に重要な理由



研究によれば、海水中のニッケルと尿素の濃度のバランスがシアノバクテリアの成長において重要な役割を果たしているとのことです。具体的には、ニッケル濃度が減少すると、シアノバクテリアの増殖が促進され、その結果として酸素濃度の上昇が引き起こされるのです。このメカニズムは、約10億年の時間差をもたらした理由を解明する手がかりとなりました。

最新の研究成果



この研究の成果は、2025年8月12日にNature Portfolio「Communications Earth and Environment」誌に掲載されました。この研究を通じて、シアノバクテリアが光合成を始めてから大酸化イベントが発生するまでの間に、どのように酸素供給が行われたのか、さらに詳細がわかりました。

研究者たちのコメント



Dilan M. Ratnayake大学院生は「研究は巨大なジグゾーパズルのようだった」と話し、実験自体は短期間で終えたものの、その後の考察には時間がかかったと振り返ります。一方で田中亮吏教授は、実験を通じてシアノバクテリアに関する重要な発見につながったことを強調し、共同研究を通じて新たな知見を得ることができたと語りました。

今後の展望



岡山大学の研究成果は、生命の起源や地球の大気の変遷について新しい視点を提供し、地域や地球の未来を共創するための重要な基盤となるでしょう。また、これらの研究は、今後の科学技術の発展やイノベーションにも寄与することが期待されます。

詳細な研究内容は、岡山大学の公式サイトや論文にアクセスすることで確認できます。今後も岡山大学がどのような新たな発見をするのか、注目が集まります。


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