線虫の脂質分布可視化
2025-08-13 02:03:27

岡山大学が提案する新しい質量分析法で線虫の脂質分布を可視化!

岡山大学と甲南大学の研究チームが、画期的な質量分析イメージング技術を開発しました。この技術は、線虫(C. elegans)の内部構造を保持しつつ、脂質の三次元的な分布を可視化することが可能です。従来の方法では実現できなかったこの可視化技術は、切片から得られたデータに基づく新たな分析手法として、多くの期待を寄せられています。

この質量分析法の最大の特徴は、10µmごとの連続切片を利用して、脂質分布を器官ごとに明らかにする点です。研究結果は、肥満、糖尿病、神経変性疾患といったヒトの疾患モデルとしても利用されている線虫を使用し、脂質の動態を深く理解する手助けとなります。特に、これらの疾患に関連する脂質の挙動を追跡することで、病気の早期診断や新たな創薬のためのバイオマーカー探索が可能になると期待されています。

研究に参加した藤原正澄教授は、「質量分析イメージング用の凍結微小切片を作製する難しさを克服し、ついに三次元画像を構築できたことに驚いています」と語ります。また、大学院生のサラ・マンディッチさんは、「この手法が初めて成功した瞬間、とても嬉しかったです。今後、この技術を活用してさまざまな研究に取り組むのが楽しみです」と述べています。

この研究の応用範囲は広範囲で、脂質代謝の理解を深めるだけでなく、薬剤投与による脂質の変化を評価したり、老化やストレス、栄養状態の変化による生体反応を研究する道も開かれます。さらには、環境科学や医療、創薬という広い分野での応用も期待され、岡山大学は、科学技術の最前線を行っています。

本研究の成果は、2025年7月9日(日本時間)に『Scientific Reports』に掲載され、学術界でも注目されています。研究資金は、日本学術振興会をはじめ、さまざまな助成金から提供されています。岡山大学は今後も、持続可能な開発目標(SDGs)を支援するための研究を推進していく姿勢を見せており、地域の中核研究大学としての存在感を強化しています。

このような新しい研究手法は、我々が健康や疾病を理解する上での重要な鍵となることが期待されており、岡山大学の挑戦に今後も注目が集まります。


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