岡山大学で重要言語奨学金プログラムが開講
2025年6月12日、岡山大学の津島キャンパスにおいて、米国務省が選抜した全米の大学生・大学院生を対象とした「重要言語奨学金(CLS)プログラム」の開講式が開催されました。このプログラムは、外国の言語と文化を深く学び、国際的な視野を広げることを目的としています。
岡山大学は、2019年に日本で唯一の派遣先として札を上げ、このプログラムを受け入れてきました。今年も全国から選抜された25名の生徒が約8週間にわたり、岡山に滞在し、日本語を学ぶことになります。彼らは6月13日から8月6日まで、日本語や日本文化に関する授業を受けます。
開講式では、まず菅誠治教学担当理事が開会の挨拶を行い、次いで学長の那須保友が自らの留学経験に触れ、参加者に向けて「このプログラムを通じて、日本語でしっかり考え、話すことができるようになることを期待しています。それはあなた方の未来にとって貴重な資産になるはずです。」と語りました。
CLS学生を代表してMairen Thompsonさんが、「私の目標は日本語を学ぶことだけでなく、地域の人々との交流や文化体験を通じて、相互理解を深めることです。」と挨拶しました。彼らの言葉には、このプログラムへの強い意欲と期待が表れていました。
さらに、2019年卒業生のKian Thomasさんと2023年卒業生のAbigail Fowlerさんからは、ビデオメッセージが寄せられ、彼らの体験談からもプログラムの意義と魅力が伝わってきました。
プログラムの内容には、日本語の授業に加え、農学部との連携での活動が含まれています。植物標本作りや田植え体験、岡山特産の桃の収穫作業など、多様な実地経験を学びます。また、国際学生シェアハウスで、日本人のルームメイトと共同生活をしながら交流の機会も設けられています。
さらに、このプログラムでは、京山公民館でのコミュニティ育成や、地域の持続可能な発展について学ぶことも特徴的です。参加者は地元住民へのインタビューを通じて、SDGs(持続可能な開発目標)に関連する議題を探求し、自らの気づきを発表する機会も設けられています。
国立大学法人岡山大学は、国際教育・交流を通じて世界中の学生との架け橋を生み出しています。今後も岡山大学の取り組みには大いに期待が寄せられており、地域との結びつきを深める機会を大切にしていきます。
このCLSプログラムは、米国務省が国家の安全保障や経済発展の観点から重要視している言語、特に日本語を学ぶ機会を提供するもので、今後の国際社会で活躍する次世代リーダーの育成が期待されています。異文化理解を深め、国際的な視野を広げる貴重な機会を得たこれらの学生たちが、未来にどのような影響を与えていくのか、目が離せません。