新刊『依存症な君へ』が問いかける命を守る支援思想とは
10月31日に吉備人出版から発売される新刊『依存症な君へ』は、児童自立援助ホームで12年間の支援経験を持つ藤本優氏が、依存症や自傷行為に悩む若者たちの現実を描いた実践記録です。この書籍は、多くの家庭や支援者が直面する問題を深く掘り下げ、「ハームリダクション」という支援思想の重要性を説いています。
命がけの「自己治療」を理解する
依存症や自傷行為は、単なる非行とは異なります。藤本氏は、こうした行動が実は耐え難い現実から逃れるための「自己治療」や「最後の生存戦略」であると捉え直し、その背後にある苦痛に寄り添うことが求められると主張します。「やめさせる」ことを優先するのではなく、まずは「今ある命を守る」ことがキーポイントとなります。
ハームリダクションの実践
ハームリダクションとは、具体的にどういった支援を指すのでしょうか。もともとはHIV感染防止のために清潔な針を配布する活動から始まりました。この思想は、依存症を抱える人々に対し、「やめなくてもいい」という受け入れを通じて、生き延びるための支援者たちの覚悟を要請します。藤本氏は、このアプローチを日本の子ども・若者支援の現場にどのように応用しているかの実例を提示します。
児童自立援助ホームでの現実
本書では、ネグレクトや家庭内暴力(DV)にさらされている子どもたちがどのように日常を生き抜いているのか、その実態を生々しく描写しています。支援者としての藤本氏の苦闘も記されており、現場のリアルな声が響きわたります。子どもたちと向き合う中で、彼らの行動は単なる反抗ではなく、自分の命を守る手段であるという視点は、多くの人にとって新たな気づきとなるでしょう。
具体的な処方箋を探る
また、本書は「正しさ」に疲れ果て、分かりにくい禁じられた行動に苦しむ保護者や支援者への具体的な寄り添い方を提案しています。支援者はもちろん、家庭で子どもと向き合う親たちにとっても、実効性のある助言が求められる時代です。この書の目的は、暗闇にいる人々に光をもたらすことにあります。
著者からのメッセージ
藤本氏の思いは、子どもたちが生き延びるためにどんな選択をしているのかを理解し、支援することが必要だということです。ハームリダクションは、依存症に対する非難を越え、命を守る支援の形を模索する動きであり、より多くの人に届くことが望まれます。この新刊が、あなたの心の燈火となり、身近な人々の支援へと繋がることを願っています。
書籍概要
- - 書名: 依存症な君へ
- - 著者: 藤本 優
- - 出版社: 吉備人出版
- - 発売日: 2026年10月31日
- - 価格: 1500円(税別)
藤本氏の深い問いかけと、心に響くメッセージが詰まった本書。多くの人に読まれ、依存症の理解と支援の在り方に変化をもたらすことが期待されます。