岡山大学が医工技術の高度化を目指した講究を開催
国立大学法人岡山大学にて、2025年8月19日、医工系コースにおける上級カリキュラム「令和7年度 医工講究(第1回)」が実施されました。発表形式は、対面とオンラインを組み合わせたハイブリッド方式。これにより、参加者は多様な環境からアクセスし、知識を深めることができました。
開会挨拶では、総合技術部本部長の佐藤法仁副理事・副学長・上級URA・技術副総監が、文部科学省から発表された「今後の科学技術人材政策の方向性」に関する中間取りまとめ報告に触れ、技術職員のキャリア形成の重要性を強調しました。「技術職員が技術研究を核に、高度化することが今後の課題」と述べ、その取り組みを通じて、技術職員の知識やスキル向上を図る意義を伝えました。
続いて、植木英雄技術専門職員が「安定発現細胞株の作製」というテーマで学術的な発表を行いました。発表では、細胞株の発現系についての基礎知識や作成手順、その原理と方法の比較を提示し、参加者に対して明確かつわかりやすく解説しました。この発表に対しては、多くの質問が寄せられ、活発な質疑応答が行われるなど、参加者間での情報共有が盛んに行われていた様子が伺えました。
「医工講究」は、日常的な業務や研究支援を通じて、技術職員同士の知識や技術の共有を促進し、質疑応答のスキル向上を目指す取り組みです。また、TC(テクニカルコンダクター)という称号取得のための必須要件である「TC論文」作成に向けた題材としても活用されており、さらなるキャリアの展開につなげる機会ともなっています。
岡山大学では、今後も総合技術部を中心に、さらなる技術職員同士の連携を深め、各種研修プログラムを通じてスキルの向上を図っています。この姿勢は、地域中核・特色ある研究大学としての役割を強化し、大学の研究、教育、臨床活動を支えるのに寄与することを目指しています。
2025年に向けて掲げる岡山大学の長期ビジョンは、地域や地球の未来を共創する理念に基づいています。技術職員の活動が、医工系技術の進化に寄与することが期待される中、岡山大学のさらなる挑戦と変革に注目が集まっています。地域とともに成長し、新たな価値創造に向けた取り組みに期待が寄せられます。
また、地域中核・特色ある研究大学としての自覚は、文部科学省が推進する「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」に採択されたことでも確認できます。これにより、岡山大学は、国内外における研究大学としての役割を強化し、さらなる発展を目指して邁進しています。
この取り組みを通じて、岡山大学は地域社会における存在感を高めるとともに、後進の教育や社会とのつながりを重要視し、持続的な成長を遂げていくことを目指しています。技術職員の地道な努力と活動は、医工系分野における新しい可能性を切り開く力となるでしょう。