家庭医療の未来を支える医師を育成するプログラム
岡山県津山市を拠点に展開されている岡山家庭医療センターでは、地域医療の現場で活躍できる「家庭医療・総合診療専門医」を育成するためのプログラムを提供しています。このプログラムの特色は、地域に根ざした実践的な研修を通じて、患者とその家族に寄り添った医療の提供ができる能力を養成することです。
家庭医療・総合診療専門医の重要性
高齢化が進む現代において、家庭医療の重要性はますます高まっています。特に、地域の医療格差を解消するためには、地域に密着した医師が必要とされています。岡山家庭医療センターのプログラムは、全国各地から集まる医学生や初期研修医に向け、家庭医療の本質を理解し、実践する機会を提供しています。
プログラムの特徴
この育成プログラムには、以下のような3つの大きな特徴があります。
1.
実践的な研修内容
診療所や小病院、三次救急など様々な場面での実習を通じて、地域医療の流れを体験します。これにより、幅広い診療能力を身につけることができます。
2.
生物心理社会モデルの実践
医師は単に病気を診るのではなく、患者の心理社会的背景にも目を向けることが求められます。このアプローチにより、より共感的な医療を提供する能力が養成されます。
3.
家族志向のケア
家族全体を一つのユニットとして捉え、診療および教育を通じた学びを体得します。このことで、患者とその家族に対して深い理解を持った医療を実践できるようになります。
取得可能な資格
このプログラムを修了することで、以下の資格を取得することができます。
- - 日本専門医機構認定 総合診療専門医
- - 日本プライマリ・ケア連合学会認定 新・家庭医療専門医
さらに、研修の中では個別面談やメンター制度を通じたサポートが手厚く、遠隔地からでもTV会議を利用した学びが可能です。指導医たちも参加者をしっかりサポートし、豊かな自然環境の中で多様な症例に対応できる力を磨く機会を提供しています。
指導医のメッセージ
プログラム責任者の松下明医師は、「地域の中で“患者さんの困り事に役立てる医師”に成長してほしい」と言います。そのための診療だけではなく、医療と生活をつなぐ力を育む研修が行われています。
また、辻川衆宏医師は「豊かな自然に囲まれ、多様な症例を経験できる」と述べ、教育環境の優位性を強調します。さらに、大門友博医師は、「精神的疾患や皮膚疾患など地域で頻出する病気にも対応する訓練が行われている」と説明します。
参加のご案内
2026年度の専攻医を募集中で、見学やオンライン相談も随時受け付けています。また、プログラム説明会が日程を決めて開催されますので、興味がある方はぜひ参加してみてください。
2025年5月18日(土)、6月15日(土)、7月14日(土)
オンライン(Zoom)
医学生・初期研修医・専門研修プログラムに関心のある方
このように、岡山家庭医療センターのプログラムは未来の医療を担う人材を育成するための場なので、ぜひ興味がある方はこの機会を逃さずに応募してみてはいかがでしょうか。