岡山大学が取り組む地域共創型シネコカルチャープロジェクトの実態

岡山大学によるシネコカルチャープロジェクトの全貌

国立大学法人岡山大学は、地域の環境を守りつつ持続可能な農業のモデルを構築することを目指す「シネコカルチャー（協生農法）プロジェクト」に取り組んでいます。このプロジェクトは、地域中核大学として内閣府の支援を受け、学生が主体となって進行しています。今回はその実施や目的について詳しくご紹介します。

プロジェクトの目的と背景

シネコカルチャーとは、無耕起、無施肥、無農薬を基本とした農法であり、植物同士の共生によって生態系を形成するアプローチです。岡山大学は、地域の耕作放棄地を再生しながら、この新しい農法を実践することで、地域作りを進めています。特に、地域の課題を見つめながら、学生たちが「現場での学び」を深めることが重要視されています。

具体的な活動の内容

2025年9月18日、岡山大学の農学部附属山陽圏フィールド科学センターで、約30名の学生、教員、地域の専門家が集まり、畝立て作業と果樹や苗、種の植え付けを行いました。一般社団法人シネコカルチャーの講師、岡本覚氏による協生農法のレクチャーからスタートし、その後、参加者は農園のデザインを考え、実際に畝立てや植え付け作業に取り組みました。

特に目を引いたのは、大同塗装株式会社の協力により行われたバナナの植え付けです。地元企業とのコラボレーションによって、様々な植物の導入が進んでいます。これにより、地域の側面が強調されると共に、地域経済の活性化にも寄与することが期待されています。

学生たちへの影響

このプロジェクトは、農業にとどまらず、持続可能性や環境デザインに関する深い理解を学生にもたらしています。参加者は、持続可能な農業とは何か、植物の共生がもたらす可能性について情報を共有し合いながら、新たな視点を得る機会を楽しんでいました。今後の活動では、生成AIや画像認識技術を活用した植物識別アプリ開発などにも挑戦する計画が発表されています。

今後の展望

岡山大学は、産学官連携を通じて持続可能な地域社会づくりに貢献し続ける方針です。また、学生たちに実践的な学びを提供しながら、自然共生型の農業や地域づくりの先駆けとなることを目指しています。シネコカルチャーの理念がさらに広がり、地域の未来を支える仕組みが育まれることを期待したいと思います。

岡山大学の取り組みは、環境問題や地域の活性化を同時に考える貴重な実践であると言えるでしょう。これからの活動にも注目が集まります。