愛犬と地域を救う!蒜山の酪農家を支える新しい挑戦
岡山県の美しい蒜山地域で、犬のおやつを通じて地域課題を解決する新しいプロジェクトが始動しています。株式会社ピュアボックスが展開するドッグフードブランド「ドットわん」が展開するこの取り組みは、2025年6月13日からスタートしたクラウドファンディングを介して、地域の酪農家を支援することを目的としています。
プロジェクトの背景
蒜山地域は、ジャージー牛の酪農が盛んな場所ですが、近年、飼料や光熱費の高騰が経営を圧迫しています。こうした中で特に大きな問題となっているのが、「赤字を生むオス仔牛」の存在です。一頭を肉牛に育てるには約26ヶ月もかかるにもかかわらず、経費と売却金額の差が生じ、1頭あたり約11万円の赤字になることが常態化しています。このため、蒜山地域の酪農家は、オス仔牛をどう活用するかに頭を悩ませていたのです。
オス仔牛が経済的に厳しい要因は、日本国内においての肉牛市場での需要が少なく、特にジャージーオス仔牛は認知度が低いため、価値がつきにくいという現実があります。そのため、育てることが困難な状況が続いていました。
新たな価値付け
「ドットわん」は、このオス仔牛に新たな価値を見出し、愛犬用のおやつとして活用する新しいビジネスモデルを提案しました。このプロジェクトのリーダーを務める佐薙は、丁寧なトレーサビリティに基づき、愛犬の健康を考えたオヤツを提供することで、地域の酪農業を支える取り組みに力を入れています。
具体的には、オス仔牛を地域で育てられた高品質なミルクや牧草を使用した栄養価の高い食材として、この新たなペットフード市場のニーズに応えられる製品を創り出します。
クラウドファンディングの成果
2025年に実施されたクラウドファンディングでは、127名の支援者から総額1,100,000円を集め、目標を達成しました。この資金は、ジャージーオス仔牛8頭分(約100kg)を利用した愛犬用おやつの開発・製造に充てられます。これにより、地域の酪農家の経済的な支援はもちろんのこと、犬を飼う市民にも新たな選択肢を提供する形となります。
持続可能な未来に向けて
蒜山地域は、牛ふん堆肥を利用した牧草栽培など、環境に優しい循環型農業を実践しています。こうした恵まれた自然環境の中で育てられるジャージー牛の仔牛は、愛情と適切な健康管理のもと、一頭一頭丁寧に育てられています。
今後、このプロジェクトを通じて、愛犬用おやつが一般販売されることにより、蒜山に生まれるオス仔牛がすべて有効利用される体制が整うことを目指しています。「ドットわん」は、これからも地域の生産者を支えつつ、愛犬たちに最高の食を届ける挑戦を続けていく方針です。
会社概要
- - 会社名: 株式会社ピュアボックス
- - 所在地: 岡山県岡山市中区倉田211-13
- - 設立日: 2003年7月7日
- - 代表者: 代表取締役社長 淺沼 悟
- - 事業内容: ペット向け自然食の企画・製造・販売
このプロジェクトの成功は、「愛犬の食べる力」が地域の経済問題を解決する可能性を示す一歩であり、多くの人々に日本の酪農の現状を知ってもらえるきっかけとなることを心より願っています。