高齢者の買い物動向に見るデジタル化の進展とライフスタイルの変化

シニアの買い物事情の変化

最近、シニア世代の消費行動が大きく変わってきています。特に、スマートフォンの普及が、彼らの買い物や情報収集の仕方に影響を与えていることが明らかになりました。株式会社mitorizが実施した調査によると、60歳以上のシニアは週に2〜3回の頻度で買い物に出かけており、その多くがドラッグストアやスーパーを利用しています。本記事では、シニアの買い物事情について詳しく掘り下げていきます。

買い物の頻度と時間帯

調査によれば、シニアが買い物に出かける頻度は「週に2〜3回」が最も多く、約45.4％を占めています。特に一人暮らしの人の場合、「ほぼ毎日」の買い物が半数近くに達しており、日常生活の一部になっていることが分かります。家族と住んでいる場合、買い物の頻度は「週に2〜3回」が主流です。

また、シニアが買い物に行く時間帯についても興味深い結果が出ています。最も多いのは夕方（15時〜18時）、次いで夜（18時以降）という結果で、特に「ほぼ毎日」買い物に行くシニアは、夜に出かけることが多い傾向があります。これらのデータから、夕方以降の買い物が活発に行われていることが窺えます。

買い物がもたらす心の安定

実に79.7％のシニアが、「買い物が気分転換になる」と回答しており、シニア世代にとって買い物はただの物品購入行為ではなく、心をリフレッシュさせる重要な行為となっていることがわかります。買い物に頻繁に行く人ほど、この傾向が強く、買い物がシニアの心理的な健康を支える一助となっています。

買い物先の選択肢

買い物先に関する調査では、スーパーマーケットが圧倒的多数を占めて95.5％、次いでドラッグストアが60.0％、そしてコンビニエンスストアが32.7％という結果が出ました。特にドラッグストアは、コンビニに対して1.8倍の利用率を誇っており、医薬品や日用品が手に入れやすい利便性から多くのシニアに支持されているようです。各種商品が一か所で手に入る便利さが、ドラッグストア人気の理由の一つでしょう。

買い物の楽しみ

約90％のシニアが、買い物中に「楽しい」と感じていることも特筆すべき点です。多くは特売や掘り出し物を見つけた時に気分が高まると答えており、自分のプランに沿った買い物ができたことに対する満足感が反映されています。気分転換や喜びを感じる瞬間は、シニアにとっても運動不足を解消し、心を豊かにする手段となっているのです。

情報収集のデジタル化

商品情報の入手方法に関しても、デジタル技術の進展が見られます。47.1％のシニアが「店舗のアプリやLINE通知」を情報源としていると回答しました。これは「紙のチラシ」を上回る数字であり、シニア世代でもスマートフォンを活用した情報収集が浸透してきています。ただし、SNSやテレビなどの伝統的なメディアも一定の影響を持っていますが、デジタルメディアの台頭が顕著です。