宮島での新たな挑戦「Precious Plastic Miyajima」
2025年10月18日から20日、広島県廿日市市の宮島で、サステナブルツーリズムの一環として「Miyajima Blue Initiative(Precious Plastic Miyajima)」が始まりました。このプロジェクトは、地域の海洋プラスチック問題を解決するという、環境への強い思いを持った団体「唐津Farm&Food」(Precious Plastic 唐津)とSUP宮島の協力により誕生しました。海の環境保全と地域資源の再利用を目指しています。
裏側に広がる課題
観光地として有名な宮島の表側は多くの訪問者で賑わっていますが、一方でその裏側のビーチには発泡スチロール由来のマイクロプラスチックが漂着している現実があります。参加者たちはその光景に驚きを隠せませんでした。この現象は、日本全国の沿岸地域で見られるものであり、深刻な環境問題を象徴しています。
また、宮島名物の牡蠣養殖業界での動きも注目されています。地元の人々からは「地域で出たプラスチックを、地域の力で再生したい」という強い声が上がっています。この思いが、地域資源の活用という新たな循環モデルへとつながるのです。
Precious Plastic 唐津の役割
唐津発のアップサイクル拠点である「Precious Plastic 唐津」は、オランダ発のオープンソース循環システムを基に、集めたプラスチックゴミを再利用し、コースターや雑貨といった実用品に蘇らせています。この取り組みは、ワークショップや学校教育、企業研修とも結びついており、市民や企業が楽しく循環型社会を体験することができる場を提供しています。
大阪の関西万博では、BLUE OCEAN DOMEにおいて人気ワークショップを実施。国内外で有望なアップサイクル事例として注目を集めています。
宮島でのデモンストレーション
宮島でのプログラムでは、Precious Plastic 唐津のチームが射出成型機を導入し、特別な金型を使用したデモンストレーションを行いました。岡山県からもPrecious Plastic Kurashikiのメンバーが参加し、素材管理やワークショップ手順の共有を行いました。こうした連携が、地域の環境意識を高める活動を加速させています。
SUP宮島も参加し、「Miyajima Blue Initiative」では、海の中にあるプラスチックを“釣るように回収し再利用する”新しい活動が予定されています。この取り組みは、観光と環境保全を一つにし、地域の持続可能な循環モデルとして広く支持されています。
未来への展望
「Miyajima Blue Initiative」は、海洋問題を未来の可能性に変えるための挑戦です。NPO法人 唐津Farm&Foodは、宮島を中心に活動を展開し、技術と教育の両面から地域の支援を行っていくとともに、瀬戸内はもとより九州、アジアへと広がるサーキュラーエコノミーのネットワーク作りを進めていきます。
団体概要