人手不足解消に向けた体験型研修とは？飲食業界の動向

日本の外食産業と人手不足の現状

現在、日本の外食業界は深刻な人手不足に直面しています。この問題は特に2010年代以降、団塊世代の退職や少子高齢化などにより加速しており、採用活動がかつてないほど厳しくなっています。外食産業は求職者に対して求人の数が2倍以上の「売り手市場」であり、多くの企業が対策を講じる必要に迫られています。

EX（従業員体験）の重要性

従来の採用活動に加えて、今後は「ここで働きたい」と思える環境づくりが求められています。企業は「従業員体験」を重視し、質の高い研修プログラムを構築し、モチベーションの向上へとつなげているのです。ほかの企業も同様に、独自の研修方法を取り入れることで従業員の定着率を高めようとしています。

- 日本マクドナルドは技能コンテスト、「ALL JAPAN CREW CONTEST」を開催。
- サントリーグループは新卒社員を対象にしたグローバル研修を導入。
- TDKはモノづくり講座を通じて新人教育を行います。

くら寿司の取り組み

特に、くら寿司では農業や漁業の現場を訪れる体験型研修や、接客・調理技術の頂点を競う「KURA-No. 1 GRAND PRIX」など、多彩なプログラムを導入しています。これは、従業員に企業の理念や社会的責任を再認識させる良い機会を提供しています。

インタビュー：採用のプロの視点

採用に関する専門家、谷出正直氏は、現在の採用活動において「ジョブ型採用」が注目を集めていると語ります。このアプローチにより、企業は優秀な人材にとって魅力的な環境を整える必要があります。しかし、労働条件だけでなく、企業理念も重要で、「この会社で働きたい」と思えることが重要だと言います。

体験型研修の進化

今の研修の流れは「座学型」から「参加・体験型」へと移行しています。特にディスカッションやフィールドワークによって、自分の成長や企業のビジョンとリンクさせることが求められています。「KURA-No. 1 GRAND PRIX」のようなコンテスト型の研修はチームワークや競争意識を生み出し、参加者の成長を促進する要素として注目されています。