職業理解の場「おしごとフェア2025」開催レポート
2025年5月から6月にかけて全国各地で開催された「おしごとフェア2025」では、高校生たちが地元企業と直接触れ合う機会が提供されました。主催は「ジンジブ」という大阪市に本社を置く企業で、全国19か所での開催には576社が出展し、6,002名の高校生が参加したことが報告されています。
イベントの背景と目的
「おしごとフェア」は今年で4年目となる定期イベントで、高校生が企業と接する貴重な機会を提供しています。近年、高校生の就職希望者数が増加する一方で、早期離職率が高まっているという課題を意識した取り組みといえるでしょう。特に、調査によれば新規高卒就職者の離職率が38.4%と増加していることからも、高校生には将来のキャリアについて具体的なイメージを持つことが求められています。
このイベントでは、実際の仕事を体験することができるため、職業理解を深めたり、自分の適性を見つける手助けとなります。
多様な業界が出展
各地域の特色を活かした多彩な業界が参加し、学生たちはアパレル、医療、建設、サービス業、物流など、様々な職種を体験できました。例えば、熊本会場ではカーディーラーによるコーディネート組みの体験や、岐阜会場では医療業界に関連する口腔内の水を吸い取る体験がありました。参加した学生たちは、実際に手を動かしながら仕事の内容を学べたと感想を述べています。
参加した生徒の反応
参加した生徒の中には、就職か進学かで悩んでいた高校3年生もおりましたが、実際に体験を通して「就職することが怖くない」と感じたと言います。高校2年生の男子学生は、介護業界に関心を寄せており、多くの会社のブースを訪れることで異なる職場の魅力を発見したようです。
また、埼玉会場に参加した高校3年生の女子生徒は、就職に対するネガティブなイメージを持っていましたが、体験を通じて楽しそうだと感じ、「進路についてじっくり考えたい」との感想を持ちました。「おしごとフェア」は、こうした生徒たちが自分の進路を再考するきっかけともなっているようです。
今後の取り組みについて
ジンジブの岡山支店長である大道篤氏は、岡山県での初開催が269名の高校生に参加され、多くの笑顔があふれたことを嬉しく思っています。「多様な職業に対する興味を持つきっかけを提供できたことがこのイベントの成功だ」と述べています。
今後もこのような活動を通じて、高校生たちが自分に合った職業を見つける手助けをしたいとのことです。
全体的に参加学生の77.9%が「良い変化や新しい気づきがあった」と回答し、64.8%の生徒が「将来就きたい職業を見つけた」とも報告されています。また、54.5%の生徒はインターンシップ参加の希望があることを示しており、実際に企業の話を聞くことで、興味の幅が広がっていることは明らかです。
結論
「おしごとフェア2025」は、若者の就職やキャリア形成を支援する重要な場となっています。この取り組みを通じて、参加する高校生たちが「高卒での就職」という選択肢が満更悪くないと思うきっかけを持つことができれば、地域社会全体に好影響を与えていくことでしょう。今後の更なる発展が期待されます。