岡山市でのドローンを利用した下水道管調査
2025年10月22日、岡野バルブ製造株式会社は岡山市にて、自社初のドローンを駆使した下水道管調査の実証を行いました。下水道インフラの老朽化が進む中、ドローンを活用することで新たな調査体制の確立を目指しています。
実施の背景
国土交通省のデータによりますと、2023年度末には全国の下水道管渠の総延長が約50万kmに達し、そのうち約4万kmは標準の耐用年数である50年を超えています(注1)。
老朽化した下水道管の内部では、生活排水や産業排水が流れ込むため硫化水素が発生し、調査が難しい状況にあります。今年1月の埼玉県八潮市で発生した道路陥没事故がきっかけで、各地で新たな調査体制の構築が急務となっています。そんな状況の中で、岡野バルブ製造は千葉県のLiberawareとの資本業務提携を結び、ドローンによる調査方法を開発してきました。特に、5月には北九州市にて全国初の超狭小空間点検ドローンを利用した調査を実施し、以降のプロジェクトも進行中です。
(注1)国土交通省ホームページより参照
実証の詳細
今回の調査は、岡山市北区にある巌井ポンプ場近くの、敷設から50年以上が経過した合流管(内径2,400mm、実証延長76m、ヒューム管)が対象となりました。ドローン「IBIS2」を使用し、岡野社のパイロットが操縦しました。
下水道管内ではGPS信号が届かないため、ドローンには高輝度照明とフルHDカメラが備え付けられています。これにより、管壁の状態を視覚的に確認することが可能になりました。特に小型で防塵・防滴設計のIBIS2は、狭い空間でも鮮明な映像を撮影できる特性を活かし、錆びたナットや瓦解したはしごの状況を確認することができました。これにより、事故リスクを軽減しつつ効率的な調査が可能となる意義が示されました。
これからの展望
調査成果を受けて、岡山市とは今後もドローン活用に関して継続的に協議していく予定です。老朽化した下水道管の維持・管理に苦慮する全国の自治体へもアプローチを進める方針です。また、技術面では、点群化やAI解析による進行度予測などの取り組みも予定しており、より高度な調査手法の確立を図ることに意欲を燃やしています。
このように、岡野バルブ製造株式会社はドローン技術を通じて、全国のアルダキ下水道管の維持管理に寄与し、作業者の負担を軽減する努力を続けています。
岡野バルブ製造株式会社について
1926年に創業した岡野バルブ製造株式会社は、高温・高圧バルブの開発・製造・保守を手がけており、社会インフラの発展にも寄与してきました。新たな潮流にも柔軟に対応し、今後の地域創生にも注力しています。
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