静岡県で進化する物流モデル
静岡県において、環境に優しい新たな物流システムの実証事業がスタートしました。この企画は、木材などから得られる繊維をナノレベルにまで微細化したバイオマス素材であるセルロースナノファイバー(CNF)を活用し、物流資材の軽量化と強度向上を図るものです。
セルロース循環経済ビジネス実証事業の目的
静岡県は、民間企業からのアイデアを募集し、実店舗での使用を通じてリサイクル性や経済性を実証する「セルロース循環経済ビジネス実証事業」を実施しています。この事業は、CNFを活用することで、コンビニエンスストアの物流課題を解決することを目的としています。
このプロジェクトでは、特に作業負担の軽減や積載効率の改善が重要視されています。軽量化された物流資材を使用することで、ドライバーの負担が軽減され、運送効率も向上することが期待されています。
新しい物流資材の開発
今回の事業で開発される物流資材は、特に食品を店舗への配送に用いる薄型容器(バット)です。これにより、輸送時のコスト削減や、無駄な廃棄物の削減につながることが期待されています。このCNF配合の物流資材を使用した小売店舗での実証は、実際には世界初となります。
コンソーシアムの構成
本実証事業は、複数の企業や大学が参画するコンソーシアムにより運営されています。主な構成要素は以下の通りです:
- - 伊藤忠商事株式会社(東京): プロジェクトのマネジメントと原材料の調達を担当しています。
- - 株式会社ファミリーマート(東京): 静岡県内の店舗及び倉庫でのCNF物流資材の実装を実施。
- - 三甲株式会社(岐阜): CNF物流資材の製造とリサイクルを担当。
- - 国立大学法人京都大学生存圏研究所(京都): 製品性能や環境評価を行い、ものづくりを支援します。
未来の持続可能な物流へ
この実証事業は、持続可能な社会を目指すための重要なステップです。環境に優しいCNFを活用した物流システムは、今後の様々な業界への応用が期待されており、サステナブルな未来を築くための一助となるでしょう。このプロジェクトの進展は、県内外で注目されることでしょう。
静岡県のファミリーマート約80店舗における実証期間は、2023年8月以降に開始されます。リサイクル性と経済性の実証が行われる中で、他地域への展開や新たな商品開発にも繋がる可能性があります。
新たな物流モデルの実装によって、私たちの生活がどう変わるのか、今後の動きに注目です。