岡山大学が掲げる新たな人事基本方針
国立大学法人岡山大学は、教育研究評議会での審議を経て「人事基本方針」を公開しました。この取り組みは、2025年の岡山大学ビジョン2050の実現に向けて、大きな一歩を踏み出すものです。
研究ファーストを実現するために
新たな人事基本方針の核心は、「研究ファーストの研究大学」としての理念をしっかりと実現することにあります。従来の「地方国立大学」や「総合大学」といった枠を超え、難しい財政状況下でも地域中核・特色ある研究大学としての役割を果たす決意を示しています。
具体的な施策とは
この方針では、以下のような具体的な施策が盛り込まれています。
- - ダイバーシティの推進: 教職員の多様性を尊重し、全ての構成員が心理的な安全を感じられる環境を整えます。
- - 厳正な採用プロセス: 教員の採用に当たり、医学や歯学の専門を除き、全分野の博士号取得者の中から優れた業績を持つ者を選ぶことを明確にしています。また、性暴力やハラスメントに関する厳正な確認を採用時に行います。
- - 教職員のキャリアパス改革: 教員の昇進や配置換えに関する新たなルールが導入され、特に「15年ルール」を適用することで、柔軟なキャリアパスが実現されます。
このように、岡山大学は人事制度を見直し、教員の育成や教職員の配置を戦略的に行うことで、教育研究の質を高めることを目指しています。
教育研究パフォーマンスの最大化
岡山大学は、教員の配置換えを適切に行うことに加え、特定業務に従事する「特定教員」の制度を活用することを明確にしています。配置換えは本人の同意のもとで実施し、ライフステージにも配慮するという新しい方針も示されました。これにより、教育研究パフォーマンスが最大限に引き出されることを期待されています。
未来に向けた挑戦
この人事基本方針は、岡山大学の組織改革の一環です。副理事の馬場里樹氏は、研究大学としての責任を果たし続けるためには、時には痛みを伴う改革も必要だと強調しています。大学は「ぬるま湯」のように安住していてはならず、自己変革を遂げながら進化し続ける必要があります。学長の那須保友氏は、大学と地域の連携を強化し、学生や教員が共に成長できる環境を追求しています。
期待される未来
岡山大学は、地域と地球規模での共創を目指す研究大学として、特色のある教育と研究を展開し続けます。これに伴い、様々な施策や制度変更が行われ、大学全体としての一貫した成長戦略が描かれています。これからの岡山大学に、大いに期待が寄せられています。
この人事基本方針に沿った取り組みが、岡山大学の未来を切り開く鍵になることを願っています。