EVバスの未来を切り拓く共同プログラム
電動化と脱炭素化が求められている現代、国際興業株式会社と株式会社パワーエックスが提携し、EVバス向けの新しい充電システムの導入を開始しました。この取り組みは、全国各地で展開される予定で、持続可能な交通インフラの構築に貢献します。
蓄電池を活用した「Hypercharger Pro」とは?
まず紹介するのは、埼玉県さいたま市緑区に新設されたEVバス専用の蓄電池型超急速充電器「Hypercharger Pro」です。この充電器は初めての導入で、最大150kWの出力を誇ります。従来の充電インフラでは難しかった効率的な充電が可能となり、さらに営業所の電力ピークを抑制し、コスト削減にも寄与します。
「Hypercharger Pro」は、充電可能台数が2台と、多様な運用に対応可能です。また、同営業所にはオンサイトの太陽光発電設備が設置されており、余剰電力を活用することで、運行中の温室効果ガス排出も削減することが期待されています。
バス事業へ新たな風を吹き込む「エルガEV」
国際興業は、この新しい充電システムに合わせてBEV路線バス「エルガEV」を導入しました。これは埼玉県内での初めての導入で、今後はさいたま市内の各路線で運行される予定です。この取り組みはバスの電動化を加速させるとともに、地域の交通エコシステムを変革する一歩となります。
全国展開に向けた今後の展望
国際興業は、この充電インフラの学びを他のバス事業者にも共有すると話しています。運行ノウハウや充電システムに関する知識を地域社会や業界全体に広め、持続可能な交通の実現を目指します。さらに、パワーエックスは蓄電池を活用した充電システムをもとに、さらなるエネルギーマネジメントソリューションの開発を進める予定です。
このシステムは、災害時にも自立運転が可能で、停電が発生した場合でも車両の充電や営業所のBCP電源として機能するよう設計されています。これにより、災害に強い交通ネットワークの構築が期待されます。
さいたま東営業所の詳細
- - 住所: 埼玉県さいたま市緑区上野田629-15
- - 運行区域: さいたま市内各路線
- - 導入車両: いすゞ自動車製「エルガEV」、導入台数は1台
- - 太陽光発電システム出力: 99kW
- - Hypercharger Pro: 358kWhの蓄電システムを搭載し、地域における電力使用量を大幅に削減する可能性を秘めています。
まとめ
国際興業とパワーエックスの提携により、未来の交通インフラがクリーンで持続可能なものへと変わっていくことが期待されています。EVバスの展開は、地域の環境に優しい移動手段を提供するだけでなく、災害時の対応力を強化する取り組みでもあります。今後の発展に注目が集まります。